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土地家屋調査士過去問題2019年(令和元年)

第1問  Aが所有し,所有権の登記名義人である甲土地についての物権的請求権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1から5までのうち、どれか。

ア Bは,Aに無断で、甲土地上に乙建物を建て,乙建物につきBを所有権の登記名義人とする所有権の保存の登記をした。その後,Bは、Cに対し、乙建物を売却し,Cが乙建物の所有権を取得したが,乙建物の所有権の登記名義人は,Bのままであった。この場合において,Aは甲土地の所有権に基づき,Bに対しては乙建物の収去を求めることができるが,Cに対しては乙建物の収去を求めることはできない。

イ Aは,Bに対し、甲土地を売却し,Bが甲土地の所有権を取得したが,甲土地の所有権の登記名義人は,Aのままであった。この場合において,甲土地をCが違法に占有しているときは,Bは,甲土地の所有権に基づき,Cに対し,甲土地の明渡しを求めることができる。

ウ Cは,乙動産を所有するBに無断で乙動産を持ち出し,A及びBに無断で甲土地上に乙動産を放置した。この場合において,Aが甲土地の所有権に基づき乙動産を所有するBに対して乙動産の撤去を請求したときは,Bは、乙動産を放置したのがCであることを理由に,その請求を拒絶することができない。

エ Bは,20年間,所有の意思をもって,平穏に,かつ,公然と甲土地を占有していた。この場合において,Bが取得時効を援用した後は,Aは,Bに対して,甲土地につき,所有権に基づく物権的請求権を行使することができない。

オ Bが甲土地に地役権を有する場合において,Cが違法に,かつ,恒常的に甲土地に自動車を駐車し,Bによる地役権の行使を妨げ,地役権を侵害しているときは,Bは,地役権に基づき,Aに対してはCによる地役権侵害行為を禁止するために必要な措置をとるように求めることはできるが,Cに対しては地役権侵害行為の禁止を求めることはできない。


第6問  次の対話は,土地の滅失の登記に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。

教授: 土地が滅失した場合には,いつまでに当該土地の滅失の登記を申請しなければなりませんか。
学生:ア 滅失した土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人は,当該土地が滅失した事実を知った日から1月以内に,当該土地の滅失の登記を申請しなければなりません。

教授: 一筆の土地の全部を掘って池を作り,常時水面下に没するようになった場合には,当該一筆の土地について,土地の滅失の登記を申請しなければなりませんか。
学生:イ はい,土地の滅失の登記を申請する必要があります。

教授: それでは,国土交通大臣の免許を受けて,一般運送の用に供する目的で一筆の土地の全部を掘って人工的に水路を設けたことにより,当該一筆の土地が常時水面下に没するようになった場合には,当該一筆の土地について滅失の登記を申請しなければなりませんか。
学生:ウ はい,土地の滅失の登記を申請する必要があります。

教授: それでは,春分又は秋分における満潮時において,一筆の土地の全部が海面下に没するようになった場合には,当該一筆の土地について,土地の滅失の登記を申請しなければなりませんか。
学生:エ はい,土地の滅失の登記を申請する必要があります。

教授:がけ崩れによって一筆の土地の一部が常時海面下に没するようになった場合には,当該一筆の土地について,土地の滅失の登記を申請しなければなりませんか。
学生:オ いいえ,この場合は全部が滅失したとは言えません。この場合には,一筆の土地の一部が海面下に没したことによる地積の変更の登記の申請をすることになります。


第19問  令和元年10月18日現在において次のような登記事項の 記録(抜粋)がある甲土地及び乙土地に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。 なお,甲土地及び乙土地は,いずれも,不動産登記規則第10条第2項第1号の市街地地域に属し,その地番区域及び所有権の登記名義人が同一であり,また,乙区に記録されている事項はないものとする。

(甲土地)

①地番
②地目
③地積㎡ 原因及びその日付〔登記の日付〕
2番
宅 地
170.00
③錯誤,地図作成〔平成18年12月28日〕
2番1    66.11 ①③2番1,2番2に分筆〔平成19年3月22日〕
   
301.06
③3番2,6番を合筆〔平成22年6月1日〕
   
304.06
③3番3を合筆〔平成27年9月9日〕

(乙土地)

①地番
②地目
③地積㎡ 原因及びその日付〔登記の日付〕
3番
宅 地
170.01
③錯誤,地図作成〔平成18年12月28日〕
3番1  
125.00
①③3番1,3番2に分筆〔平成19年3月22日〕
   
305.05
③5番を合筆〔平成22年6月1日〕
   
302.05
③3番1,3番3に分筆〔平成27年9月2日〕

ア 令和元年10月18日の時点において,甲土地の範囲には,平成22年6月1日の合筆の登記による登記記録の閉鎖時における6番の土地に相当する部分の全部が必ず含まれる。

イ 令和元年10月18日の時点において,乙土地の範囲には,平成22年6月1日の合筆の登記による登記記録の閉鎖時における5番の土地に相当する部分の全部が必ず含まれる。

ウ 3番3の土地について,平成27年9月2日の分筆の登記による登記記録の作成時から平成27年9月9日に甲土地に合筆する合筆の登記がされるまでの間に分筆の登記及び合筆の登記がされていないときは,令和元年10月18日の時点において,甲土地と乙土地は隣接している。

エ 2番2の土地について,平成19年3月22日の分筆の登記による登記記録の作成時から令和元年10月18日までの間に分筆の登記及び合筆の登記がされていないときは,平成19年3月22日の分筆の登記によって創設された甲土地と2番2の土地の筆界は,令和元年10月18日の時点において存在している。

オ 3番2の土地について,その登記記録の作成時から平成22年6月1日に甲土地に合筆する合筆の登記がされるまでの間に合筆の登記がされていないときは,平成22年6月1日の合筆の登記による登記記録の閉鎖時における5番の土地の登記記録上の地積は,平成22年6月1日の合筆の登記による登記記録の閉鎖時における6番の土地の登記記録上の地積よりも大きい。

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