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土地家屋調査士過去問題2007年(平成19年)


第1問 法律行為の条件に関する教授と学生との対話の中で、教授の質問に対する次のアからオまでの学生のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組み合わせはどれか。

教授:法律行為の条件について聞きたいと思います。Aが、Bとの間で、Bが来年の7月に開催される大会に優勝した場合には、Bに対し、来年の4月分からさかのぼって奨学金を給付するとの合意をしたとしましょう。その後、Bが実際に優勝した場合には、Bは4月分から奨学金を請求することができますか。
学生ア:これは、条件の成就により奨学金の給付という契約の効力を発生させるものですので、停止条件に該当しますが、停止条件の付された法作行為は停止条件が成就した時からその効力を生ずるものですので、Bは4月分から奨学金を請求することはできません。

教授:当事者が停止条件を付して契約を締結したが、実際には、停止条件とした事実が既に発生していたとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生イ:そのような場合には、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになります。

教授:ある土地の所有者Cが、隣接地の所有者Dの知らないうちに両土地間の境界標をCに有利に移設してくれれば、Eに対して50万円を贈与する旨の契約をEとの間で締結したとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生ウ: 契約に付された条件は不法なものですから、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになります。

教授:ある動産の所有者Fが、5年後にGに対してその動産を贈与するが、Fの気が変わった場合にはいつでも契約は効力を失うとの条件を付して書面により贈与契約を締結したとします。この契約の効力はどうなりますか。
学生エ:これは、Fの意思のみに係る条件を付したものですので、契約自体が無効となります。

教授:Hが、Iとの間で、契約日から7日以内に動産の修理を完了した場合には、Iに対して所定の修理代金に加えて割増しで修理代金を支払うとの内容の契約を締結したとします。この場合において、HがIの修理道具をわざと損壊し、そのため、5日以内に修理作業を完了することが可能であったのに、修理作業の完了が10日後に遅延してしまったときには、どうなますか。
学生オ:この場合には、Hは故意に条件の成就を妨害しています。したがって、Iは、条件が成就したものとみなしてHに対して割増分の修理代金の支払をも請求することができます。


※土地家屋調査士2007年(平成19年)の過去問は、ここまでです。

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